読書ノート

医者が教えるサウナの教科書

「サービス残業上等」のサラリーマンや1日中家のことをしないといけない主婦、明るい将来に向けて日々勉強しまくっている学生など、今の日本で生活しているほとんどの人は多忙な日々を過ごしている。そんな多忙な人は脳をオフることが苦手で、リフレッシュしているつもりでも、実際には脳が目まぐるしく動いていて脳を休めていることができていない。

多忙な人たちの中でも更に多忙なビジネスエリートと呼ばれる、いわゆる仕事ができる人たちには仕事が集まってくるため、より一層忙しくしている。やることはどんどん増え、大きなプレッシャーを抱えながらも、確実に結果を出さなければならない。そのために必要なのは、短時間で効率良く心身をコンディショニングして、パフォーマンスを最大限発揮できる状態にととのえている。

そして、そんなビジネスエリートが脳のコンディショニングに活用しているのがサウナなのである。医者が教えるサウナの教科書は、「仕事ができる人はサウナが好きではなく、サウナが好きだから仕事ができる」として、サウナへの愛を語っている。理由なしにこれを言うとただの洗脳だが、サウナが仕事のパフォーマンスを上げる医学的根拠をきちんと説明して、医学的に正しいサウナへの入り方(ととのい方)を紹介している。

巷ではマインドフルネスとかが流行っているが、瞑想とかで脳のコンディションをととのえるにはある程度の修行が必要になる。サウナなら、ただ入るだけでOK。努力も才能も不要で、価格も庶民的。何も考えずに、サウナを楽しむだけで、自動的に心身をコンディショニングできる。

サウナの正しい入り方

  1. サウナ
    脈拍が通常の2倍になるまでサウナ室にいる。
  2. 水風呂
    汗をシャワーで流して水風呂に入る。大きく息を吸い、吐きながら入る。水風呂を出るタイミングは、気道がスースーしたら。
  3. 外気浴
    外気浴タイムは、季節にもよるが、5〜10分程度を目安にする。足の末端が少し冷たく感じる程度まで。また、できるだけ起立の状態は避ける。

「サウナ→水風呂→外気浴」がワンセット。サウナで汗をかいて終わりではない。このワンセットを3〜5セット繰り返すと脳が「ととのう」。

なぜサウナで脳が「ととのう」のか?

人間は、ボーッとしているようでも脳の7〜8割のエネルギーを消費していると言われている。なので、休憩しているようでも脳は休憩ができていなくて、仕事のパフォーマンスを低下させているかもしれない。「サウナ→水風呂→外気浴」というセットを繰り返すことで、脳に非日常的な状況だと騙すことで脳をととのわせる。

最初のサウナでは、いつもと違う暑い危機的環境に身を置くことで生命の危機になることを感じて、高温の環境に適用するために集中し、余計なことを考えなくなる。そして極限まで熱せられた状態で水風呂に入ることで身体が驚き、人体は生命の危機を再び感じる。体内では、自律神経や心拍、血圧、血流量、脳内ホルモンなどをコントロールし、モテる力を総動員して環境に適応しようとする。そして最後の外気浴で生命の危機から脱したと判断して、急速に脳が「ととのって」いく。エネルギーの消費が止まって、動作が軽くなった脳が、サクサクと動き始めるようになる。さらに、血流が増加したことで、腰痛や肩こりが和らぐ。

著者の加藤容崇は毎日通うくらいサウナ好きで、会議や懇親会などもサウナで実施しているらしい。さすがにそれはやりすぎだと思うが、心臓血管系の疾患リスクを下げるなどのサウナの効能がきちんと医学的に説明されていて良書だと思う。

あくまでサウナは健康な人が、心身をリフレッシュしたり、心臓血管系の疾患リスクの予防のためのものである。本当に心を病んでいたり、疾患がある人は医者に相談するのが良いかな。とはいえ、忙しい毎日を過ごしていて頭がボーッとしているような人は、医者が教えるサウナの教科書を読んでサウナの素晴らしさを知ってもらって、騙されたと思って近所の銭湯にでも足を運んでみてはどうかな。

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