読書ノート

サーチ・インサイド・ユアセルフ

ちまたではIQが高いことも重要だが、最近ではEQ(情動的知能)も重要視されている。EQの中核を成すのは己を知ることであり、それを実際に心にやらせるための最善の方法は、「マインドフルネス」と呼ばれる心のトレーニングである。本書はマインドフルネスの素晴らしさとトレーニング方法を書かれており、意のままに心を鎮める方法を学べる。実践した人の創造性や生産性、幸せを高めてくれる。

サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法を読むことで、自信は鍛錬を積んだ心のなかに自然に沸き起こるものであることに気づく。自分の理想の未来を見出したり、成功に必要な楽観と回復力を育んだりすることを学ぶ。練習によって共感の力を意識的に高められることを発見する。社会的な技能は訓練によって十分身につけられることや、他人に愛してもらいやすくできることを学ぶ。

サーチ・インサイド・ユアセルフ

サーチ・インサイド・ユアセルフは下記の3つのステップから学ぶ。

  1. 注意力のトレーニング
  2. 自己認識と自制
  3. 役に立つ心の習慣の創出

注意力のトレーニング

注意力は、高度な人知的能力やEQの基礎である。EQを鍛えるためのカリキュラムはどんなものであれ、注意力のトレーニングから始める必要がある。注意力のトレーニングをすることで、穏やかであると同時に明瞭な心を生み出す。そのような心がEQの土台になる。

自己認識と自制

鍛え上げた注意力を使い、自分の認知的プロセスや情動のプロセスを高い解像度で近くできるようにする。自分の思考の流れや情動のプロセスを、第三者視点のように客観的に、明瞭に観察できるできるようになる。

役に立つ心の習慣の創出

誰に会っても「この人が幸せになりますように」と思う習慣をつける。このような誠実な善意に他の人が無意識のうちに気づくし、とても建設的な協力関係につながる種類の信頼を生み出す。そうした習慣は、自分の意思で身につけられる。

EQの恩恵

職場というコンテクストでは、EQのおかげで三つの大切な技能を発揮できる。優れた職務遂行能力、抜群のリーダーシップ、幸せのお膳立てをする能力だ

優秀さの要因としては、知性や専門知識よりも情動面での能力の方が重要である。

抜群のリーダーシップを持っている人は、並の人よりもポジティブで、社交性に富み、情動表現が豊かで、温かくて愛想が良く、人懐こく、民主的で、協力的で、一緒にいて楽しく、感謝の念を表し、他人を信用し、穏やかである。

さらに幸せのお膳立てをする能力がある人が本当に関心があるのは、同僚の幸せである。EQは、仕事で素晴らしい成功を収めるお膳立てをするだけではなく、全ての人の個人的な幸せを実現するためのお膳立てにもなる。

マインドフルネス

マインドフルネスは単純である。マインドフルネスとは、ただあるがままでいるときの心である。評価や判断を下すことなく一瞬一瞬に注意をはらいさえすれば良い。

「簡単な手法」は、単に2分間、穏やかで一貫した注意を自分の呼吸に向けるだけである。

「もっと簡単な方法」は、特に何するでもなく、2分間座っているだけで良い。狙いは、2分間だけ、何かを「する」モードから「あるがままでいる」モードへ切り替えることである。それが何を意味するかは人それぞれだが、とにかく、あるがままに存在することである。

この簡単なエクササイズがマインドフルネスの練習になる。頻繁にやれば、心に本来備わっている穏やかさと明瞭さが深まる。人生の一瞬一瞬を十分に味わう道が開ける。これは、多くの人にとって人生が変わるような練習になる。

ベンチプレスをすればやがて力がつく。ジョギングをすればタイムが縮まり長い距離を走れるようになる。それと同じで、瞑想は心を鍛えて心的能力を伸ばそうとするものである。瞑想のエクササイズをたくさんやれば、心が前より穏やかで鋭敏になったり、注意を強く長く集中させられるようになる。

マインドフルネス瞑想

楽な姿勢で座る。リラックスして、しかも隙がない状態になれる姿勢で座る。

そしてゆっくり深呼吸を3回して、エネルギーとリラクセーションの両方をこの練習に注入する。

自然に呼吸し、とても穏やかな注意を呼吸に向け、鼻の穴か、お腹か、呼吸する体全体に注意を向ける。吸気と呼気と、その間の間を意識する。

感覚や考え方や音によっていつ気が散っても、ただそれを認め、経験し、とても優しくそれを放してあげるようにする。それからそっと注意を呼吸に戻す。

めいいっぱいやらない

重荷になるほど長く練習してはいけない。短時間の練習を頻繁にやれば、マインドフルネスの練習はすぐに道楽のように思えてくるだろう

マインドフルネスの練習は筋トレと同じで最初の何ヶ月かはとても苦しい。自分を叱りつけて定期的にトレーニングしないといけない。しかし、2、3ヶ月すると自分の生活の質が劇的に変わっていることに気づく。活力が増し、具合の悪い日が減り、こなせる仕事の量が増え、鏡に映る自分の姿も前よりも見栄えがする。

しかし、めいいっぱいやらないように気をつける。自分が実際にできるよりも控え目に練習するのが良い。毎日5分のトレーニングでは面倒になってしまう。練習を負担にしないようにするのがコツである。

上手に人を褒める

頭が良いことを褒められるのは、ためにならない

相手から最善のものを引き出すには、共感的に耳を傾けるほかに、ほめるという手もある。しかし、頭が良いことを褒めるのはためにならないことが多い。称賛が誠実なものでなければ、相手はそれを嗅ぎ取り、信用を失う。称賛が心のものからであっても、上手な褒め方を身につける必要がある。全くの善意から褒めていても、相手を傷つけてしまうことさえある。

褒めるときに大事なのは、「プロセスを褒める」ことである。「こういう問題を解くのが解くのが得意なんだね」という「個人称賛」よりも、「一生懸命やったんだね」とその人の「プロセスを称賛」するのが良い。頭の良いことを褒めてもためにならない。

個人称賛をされると、人間の成功は持って生まれた普遍の才能おかげだ、という「固定的な姿勢」が強まる。このような物の見方をする人は、自分の才能について心配する。自分の才能がどれほど適切化、あるいは不適切かもと心配する。そして、失敗すると、個人的な欠点のせいにする。失敗したら自分が不適切な人間であることが判明しかねない時には、危険を犯すことを恐れる。

これと対象に、プロセスを称賛されると、人間の才能は熱意や努力によって伸ばすことができ、成功は熱意と努力から導かれる、という「成長志向の姿勢」が強まる。そして、大きな業績をあげるのに欠かせない向学心や回復力が生まれる。

フィードバックを与える時には、成長志向の姿勢を強化する形でやるのが最善である。相手にレッテルを貼るよりも、努力と成長を中心にフィードバックを構成する方が優っている。

頭が良いと褒めるより、一生懸命やったことを褒めるのが良い。このブログを読んでくれてありがとう。一生懸命読んでくれたに違いない。素晴らしい努力だ。

正直、他のマインドフルネス系の本と何ら変わらない。「マインドフルネスのトレーニングをしているマイケルは、こんな状況に陥った時もマインドフルネスのおかげでヤバい状態にならなかったよ」のエピソードが違うだけ。マインドフルネス系の本を何か読んだことある人は読まなくても良い。

マインドフルネス自体は別にいいし、文句言うつもりはないんだけど、この本で気に入らないは、「科学的な体裁」をとっていることである。「私がやっているのは宗教です」と言うと胡散臭いイメージがつくので、「私は科学的な話をしているのです」と言い放っている。いわゆる疑似科学やエセ科学だけど、普通の人は「これは科学です」と言っておけば絶対に疑わないんだろうな。科学だと言い張りさえすれば、普通の人は無条件で信じるから仕方ないか。

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